2018年の台風21号で私の勤める会社もすごい被害をうけました。
電柱も数本倒れたり、小屋がすべて飛んでいったりとすごいスーパー台風で会社の保有する車両も数台被害をうけました。
社長の買い換えたばかりのベンツも被害にあい買い換えることに….。
買い換えたばかりなので、保険金がベンツが1台買えるぐらいおりました。
こうなってくると企業としては営業外収益が増えて税金が多くかかってきます。
そこで、圧縮記帳をして税金を減らすことにしました。
近年、災害等が増えるので災害に遭遇する可能性も高くなってきてます。
運悪く災害にあって圧縮記帳を使用することになった時に参考にしていただければと思います。
- 圧縮記帳をするメリット
- 圧縮記帳のやり方
- 圧縮記帳をするときのポイント
圧縮記帳とは
圧縮記帳(あっしゅくきちょう、reduction entry)とは、国庫補助金や火災による保険金などの金銭を受けて固定資産を購入した際、その購入価額から補助金の額を控除して購入価額とすること。
(出典;Wikipedia)
災害で受け取った保険金は収益になり税金がかかってきます。
企業は、保険金で代替えの資産を購入しようと考えていても、税金分を置いておかないといけないという心理で資産の代替えの買い控えがおこります。
そこで、保険金で資産の代替えを購入した場合、帳簿価格を圧縮して課税利益が出ないようにする仕組みです。
*資産簿価が減るので、次期以降の減価償却費が減少する為「課税の繰延べ」となります。
圧縮記帳の参考事例
例
代替えのベンツを購入、¥7,992,426(諸経費¥1,107,574)
合計¥9,100,000-
(諸経費/自動車税他・リサイクル料・手数料など)
廃車したベンツの費用、帳簿残高の車体価格¥4,324,103(リサイクル預託金¥23,700)
合計¥4,349,803-
*リサイクル預託金は廃車するときに消費税が発生します。
保険金の金額、¥8,931,820-

消費税は数字に含めません。
まずは、保険差益金の額をだします。
(保険金等の額-減失又は損壊により支出する経費の額)-減失又は損壊した固定資産のうち被害部分に相当する金額)=保険差益金の額
¥8,931,820-(¥4,324,103+ ¥23,796(消費税抜きの金額))=¥4,583,921
次に
保険差益金の額x代替資産の取得又は改良に充てた保険金等の額(分母の金額に達するまでの金額)÷(保険金等の額 - 減失又は損壊により支出する経費の額)
¥4,583,921x(¥7,992,426÷((¥8,931,820–¥23,796(消費税抜きの金額))=¥4,112,769
今回の圧縮限度額は¥4,112,769になります。
圧縮記帳ポイント
1つ目ポイントは消費税になります。
保険差益金の額を計算するときに、保険金には消費税は入っていませんが、廃車時の支払(リサイクル料)などに消費税が含まれています。
計算時に消費税を排除して計算してください。
2つ目ポイントは減失又は損壊により支出する経費の額に廃棄した車体価格は含まれないことです。
廃車した車の車体価格は経費には含みません。
圧縮記帳まとめ
合計¥9,100,000のベンツを購入した時の仕分けです。
圧縮記帳だからといって特に特別な仕分けはいりませんので請求書に合わせて科目を振り分けてください。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
車両運搬具 | ¥7,992,426 | 銀行 | ¥9,100,000 |
費用勘定 | ¥468,180 | ||
仮払消費税 | ¥639,394 |
*消費税は、費用の中には租税公課も含まれるので計算しても合いませんのでご理解ください。
次に、廃車した車の仕分けです。
帳簿に残っている車両価格をすべて取り消してリサイクル預託金で預け金を計上してる場合は取り消します。
廃車手数料がかかった場合は追加で費用計上してください。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
¥7,992,426 | 車両運搬具 | ¥4,324,103 | |
費用勘定 | ¥23,796 | リサイクル預託金等 | ¥25,700 |
仮払消費税 | ¥1,904 |
*消費税は、計算しても合いませんのでご理解ください。
保険金で入金される仕分けです。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
銀行 | ¥8,931,820 | 雑収入 | ¥8,931,820 |
最後に、先ほど計算して出した圧縮限度額を固定資産圧縮損の勘定に計上して、車両運搬具の数字を減らして圧縮記帳の処理は完了です。
固定資産圧縮損 | ¥4,112,769 | 車両運搬具 | ¥4,112,769 |
一度やれば、理解できると思いますが、災害時の保証金の益金に使う程度なので、数十年に一度あるかないかの仕分けだと思います。
